2015.07/07 技術の問題解決プロセス
科学における問題解決の手法は、小学校から学ぶので誰もが身につけている。だから、風が吹けば桶屋が儲かる話を笑うことができる。逆に技術の問題解決プロセスについては、メーカーに勤めない限りは学ぶ機会も無いのが日本の現状である。弊社はこれを研究開発必勝法プログラムとして販売している。
科学が存在しない時代にも技術開発が行われていたことはマッハ力学史に書かれているが、意外にもこの重要性が知られていない。ヒューマンプロセスによるその方法は、どんどん今の時代の問題解決法にも活用すべきである。科学的問題解決法だけが優れた方法ではないのである。
科学的問題解決法の利点は、真理が一つ、という大前提を使うことができる点で、これを技術開発に安直に持ち込むと痛い目に遭う。技術開発では、機能を実現する方法はいくらでもあるからである。ゆえに特許がたくさん出願される背景になっている。特許を読むと技術が科学だけではないことをすぐに理解できる。
32年間の技術開発成果において世間に自慢したい技術が二つある。自慢したい理由は、科学的に問題解決しなかった成果だからである。その他の技術開発成果には、どこか科学的問題解決法が使われている。詳細な問題解決方法については弊社へ問い合わせていただきたい。また一部は未来技術研究所(http://www.miragiken.com)でも公開しているのでそちらもご覧頂きたい。
さてその二つの技術とは、ゴム会社が日本化学会技術賞を受賞している技術の主要部分を占める高純度SiCの合成技術と昨年高分子学会から招待講演を依頼されたカオス混合技術である。この二つの技術では、思考実験と試行錯誤というヒューマンプロセスをほとんどの開発プロセスで用いた。いずれも科学の成果であるフローリー・ハギンズ理論を使えなかったからである。
高純度SiCの合成技術では、前駆体高分子の合成についてはカプセル化し、それが炭化された部分について科学的に扱い学位を取得している。カオス混合技術では、なぜそこに至ったかは講演で一部を説明したが、やはり大半をカプセル化し、その混合技術で製造されたPPSとナイロンの相容について科学的に説明している。
カテゴリー : 一般
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