活動報告

新着記事

カテゴリー

キーワード検索

2015.07/15 技術者の能力(4)

技術者に必要な能力は、試行錯誤を効率よくできることだけではない。科学的論理を超越した風が吹けば桶屋が儲かる式の論理展開もうまくできなければならない。これについては、ビジネスはロジックだ!という名言もあるのでうまくできる人は多いようだ。

 

ただ、科学の時代においては、論理展開できるだけではダメで、それに科学的検証を加える作業が必要になる。これをうまくできるかどうかも技術者の能力として重要である。へたにやるとアカデミアのような研究になってしまうので注意が必要である。具体的な方法については弊社に問い合わせていただきたいが、このやや科学を割り引いた科学的検証で業務効率を上げることが可能となる。

 

また、科学的検証により、度胸の発揮どころもわかる。科学的に解明されていないだけならば、「**細胞ありまーす」と叫びながら現象に潜む恐怖を追い払い、勢いをつけて行えば良いが、科学で否定されている現象ならば、それを実行するにはかなりの度胸がいる。それを試みようとするときに馬鹿にされる覚悟と協力者が誰もいなくなる覚悟、その他様々な覚悟が必要になるのでよく考えた方が良い。

 

KKDのDについては馬鹿にする人がいるが、何も考えず目をつぶっているかのごとく発揮されているDならば馬鹿にされても仕方がないが、十分にそのプロセスと結果を検証した上で発揮されるDについてはエールを贈るぐらいのゴム会社に似た企業風土があると業界トップになれる。

 

PPSと6ナイロンを相溶させることに成功したカオス混合の発明では、科学の教科書に載っているフローリー・ハギンズ理論で否定されている現象なので、その開発にかなりの度胸(くそ度胸)が必要だった。しかし、ポリオレフィンとポリスチレンの相溶実験や過去の習得した技術の裏付けがあり、それらを自信のよりどころとしてDを発揮し、こっそりと実験を行った。(続く)
 

 

カテゴリー : 一般

pagetop