2015.10/13 小牧市でツタヤ図書館、住民投票「No」
反対3万2352票、賛成2万4981票。小牧市で計画されている新図書館建設を巡る今月4日の住民投票の結果、レンタル大手「ツタヤ」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と連携する計画は、一時停止に追い込まれたそうだ。
フォルクスワーゲンの不正事件にノーベル賞週間と続いた時の地方都市の記事を見落としていた。お昼のワイドショーでも扱ったところがあったので大きな話題なのだろう。インターネットでも検索するといっぱいニュースが出てくる。
公営図書館を民間に委託する公共団体が増えていると言うことは知っていた。しかし、その弊害も週刊誌で情報が公開されている。冷静に考えると、公共団体のサービスのまま運営したならば利益が出るはずのない業務を民間に委託する是非の検討を十分に行わず、安直に仕事が流されているように思われる。
今都内の図書館は、一時期の閑古鳥はいなくなったけれど昔の賑わいは無い。しかし、地方の図書館は不明だが、今の時代図書館は本屋同様に淘汰される運命にあると思う。だから民間に丸投げ、というのは短絡的で、民間に丸投げされた結果、風俗店の案内本が並んだり、昔から大切にされてきた郷土の歴史本が捨てられたりしたら、もうそれは公共の図書館の姿ではないだろう。
民間に丸投げする前に、図書館の必要性を地域住民と十分に議論すべきではないか。(おそらくこのような議論では不要とはならず必要という結果になると思われるが。)今本屋が減少してきており、老人にとって書籍に接する場所は公営の図書館以外に無くなってきているのである。だから都内の図書館は老人が多い現実があり、図書館の必要性を示す現象でもある。
少なくともこれから老人は増加傾向であり、時間をもてあました老人が気軽に行ける場所の一つとして図書館を残して欲しいと思っている。だから、民間に委託する前に、公共団体の敬老サービスの一環として図書館をまず見直す作業を行ってみてはどうか。
民間の経営により、図書館の基本に関わるいろいろな問題が指摘されているので、民間への委託を急ぐ必要はない。また、図書館が図書館でなくなるのなら、いっそのこと廃止統合を検討した方が良いだろう。図書館を必要としない地区もあるかもしれない。そのようなところは廃止すればよい。
しかし廃止する時に図書館の資料館としての役割を忘れてはいけない。廃棄してはいけない蔵書もあるはずなので、それは他の図書館で保存しなければならない。公共サービスには時代とともに不要となるサービスもあるはずで、情報化時代の図書館サービスも時代に合った内容にしなければ不要となる。しかしそれは民間への丸投げでは解決できない。もし役所でアイデアが出ないなら弊社へ相談し、安易にツタやなどへ丸投げしないでほしい。さすが知を愛する愛知県のベッドタウン小牧市住民の選択である。
カテゴリー : 一般
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