活動報告

新着記事

カテゴリー

キーワード検索

2015.10/18 旭化成子会社杭打ち偽装問題

傾いていることが発覚した横浜市都筑区のマンションは、施工時にくいの一部が固い地盤(支持層)まで届いていなかった上、検査データの改ざんだけでなく、16日にはコンクリート量に関するデータの改ざんも明らかになった。
 
建物の基礎になる重要な工事だけに、専門家は「理解しがたい」と言っている。また、一度建ってしまえば、不具合が出るまで見抜くことは困難で「犯罪に近い」との声も上がっているそうだが、意識してやっていたなら、これは犯罪である。
 
現在調査中のマンションで同様の不正が無いことを祈るだけだが、ニュースで報じられた内容を聞く限り、現場で勝手に判断して(その瞬間は悪意は無く)作業を進めた結果ではないか、と想像している。
 
20年近く前の話だが、問題行動をとる部下がいた。一番大きな問題は、自分の問題行動を問題と思っていないことだった。今やドラッカーが言うように知識労働者の時代であり、これは知識労働者ゆえに発生した問題である。
 
直属の上司は、その問題に気がついていて、日々コーチングで優しく対応していた。ただ、彼の場合には、雷こそ必要だったのだ。三度ほど当方は、直属の上司を前にして本人に直接雷を落とした。三度落とした結果、行動の前によく考えるようになり、問題行動は少なくなった。
 
問題行動について幾つか書くと本人を特定するようなことになるので、もう痕跡の無くなった建物で起きた事件について説明する。その建物は古い実験室だったが、特殊な実験装置があり、建物を壊す時に移転予定の条件付きで、安全維持のため随所に通行止めの張り紙と縄を張り使用していた。
 
ただ、昔使用していた実験室なので、通行止めの目印の向こうには、使用可能な工具などが放置されていた。彼はその実験室で実験をしようとしたときに、たまたま必要な工具を忘れ、通行止めの張り紙の向こうにある使えそうな工具を見つけた。幸いなことに誰も見ていない。急いで通行止めの縄をまたいで、工具を取りに行こうとしたら、それに足が引っかかり転倒し骨折した。
 
業務中の事故なので社内の安全委員会で当方が報告することになったのだが、彼に説明を求めたところ悪びれることなく、急いで実験を進めようと思い、近くの工具を取りに行こうとして骨折した、と説明してきた。当方はその実験室の状況を理解していたので、報告が終わるやいなや雷を落とした。「なぜ通行止めの縄を超えたことを報告しないのだ!」
 
横にいた直属の上司は、すぐに彼をかばった。しかし、当方は安全委員会で正直に間の抜けた事実の報告をする、と静かに伝えた。彼は心配して、「通行止めの縄を張ったことが、安全上問題になりませんか?」と尋ねてきた。何が問題なのか分からない、あるいは正しく問題を捉えることができない知識労働者が増えているのかもしれない。
    

カテゴリー : 一般

pagetop