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2015.12/10 フィルムのボツ対策

高分子成形体で発生するボツ対策はノウハウであり、この欄で書きにくい内容である。公知事項の範囲で書こうとすると読み手からは靴の裏から足のかゆいところを書くような状態になる。また、思いつくまま書いているので、読み手には余計に分かりにくい内容になっていると思う。もし疑問に感じたらいつでも問い合わせていただきたい。
 
フィルム成形をしていてボツを見つけると、まずボツの分析を行う、というのが一般的なアクション。その時の分析手段は、電子顕微鏡や光学顕微鏡が一般的だろう。まず、目で観察する、というのは、小学校で習う科学の姿勢である。
 
ボツを目視で観察し、原因が分かることもある。すなわち、異物が原因でボツが発生しているときには、何らかの手段でその部分を観察すると容易に原因を特定できるので、対策に結び付けることが可能である。
 
まず大きな異物であれば、フィルターワークで対策できる。その異物がコンパウンド外から入ったものであれば、クリーンルームの作業に切り替えたり、作業着対策や作業者の訓練で解決できる。コンパウンドに添加されたフィラーが原因であれば、分散を改良したり、フィラーを変更したりして対策を進める。
 
とにかく、見える化で原因を特定できる時には、その原因を除去すればボツを減らすことが可能となる。しかし、それでもボツを0にはできないのが一般的で、フィルム製造の実技では毎度問題になる定番の品質欠点である。すなわち、見える化を行っても正体不明のボツがあり、その対策がわからないのでボツを0にできないのだ。
 
この正体不明のボツは、高分子の未溶融体であり、科学では理解できない現象である。もしできるという人がいれば教えて頂きたい。少し技術的センスのある人ならば、正体不明のボツを集めて、熱分析を行うだろう。DSCや粘弾性測定を行うと正体不明のボツの姿が見えてくる。GPC測定も情報を与えてくれる。
 
正体不明のボツの姿がおぼろげながら見えてくると、その対策を考えることになるが、これが大変なのである。ここでも少し書きにくい。コンパウンドの混錬の話になるのだが、ここにたどり着いた人は弊社にご相談ください。良い方法がある。(明日もボツ)
 
 
 

カテゴリー : 一般 高分子

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