活動報告

新着記事

カテゴリー

キーワード検索

2016.02/29 企画を実現する(8)

企画で全社方針との整合性を重視している指南書は多いが、これは当たり前のことである。そもそも会社の方針にあっていない企画書など、方針管理が徹底しているこの時代に実行されるはずがない。
 
あるフィルム会社では、写真フィルムの市場が急速に縮小する時に新事業を垂直立ち上げするために、自社の技術で「できるもの」と「できそうなもの」にわけて新事業を提案するように社長方針が出されたという。ある意味で大変広い方針でありながら的確である。また、普遍性のある優れた方針だ。
 
全社方針との関係で重要になってくるのは、方針における企画の位置づけと役割を明確にすることである。換言すれば、方針に合っていない企画でも見かけ上方針に合っているように見せかけ立案可能であり、大切な点は、その企画でどのようなイノベーションを見込んでいるのか、方針に沿って具体化することである。
 
そもそも全社方針はイノベーションを期待して出される。ゆえに企画で具体化すべきイノベーションを方針との関係でどのような表現にするか、という問題になる。方針にとらわれすぎて企画を考えるとアイデアが浮かばなくても、日々の問題意識があれば自分の所属している組織で必要なイノベーションについて考えるのは容易なはずだ。
 
ゆえにその必要なイノベーションを方針に沿って具体化して、方針との整合性を取るように考えていった方が迫力のある内容になる。ただし、迫力を狙いすぎてこじつけになるとアウトである。方針管理の下で方針に整合しない企画は、まず通らない。
 
企画テーマから方針との整合性ができあがったら、一度上司に見てもらい、アドバイスをもらうと良い。この部分を後回しにして問題形成から企画立案を始めるとよい、と書いてある指南書を見かけることがある。QC関係の書籍に多いこの方法に当方は反対である。
 
企画のコンセプトが決まっておれば、企画テーマから会社方針との整合性は、すぐに作成可能で、最初にこの部分を上司とすりあわせておくことが大切である。その後、情報を集めて問題を具体化していったら、コンセプトそのものも見直しが必要になり、その結果企画テーマからすべて作成し直さなければいけない事態になってもよいのである。
 
もし情報収集後、当初考えていたコンセプトの間違いに気がついたなら、それも重要な情報の一つとなる。なぜ最初に誤った企画テーマを立案したのかは、新たに形成するコンセプトを練るときに参考とすべき最も重要な情報である。正しい問題を捉えられなかったのだから、そこの問題についても考えておく必要がある(問題解決力が足らないだけならば重視する必要はないが、それはそれで問題である)。

カテゴリー : 一般

pagetop