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2016.04/03 科学で未解明の現象から機能を取り出す

自然現象を前にして、なぜ、と問いかけることは科学の心の芽生えである、と昔聞かされた。一方自然現象から儲かる機能を見つけようとするのは、技術者の本能である、と誰も教えてくれなかった。
 
科学では真理を追究するのが使命なので、未知の自然現象に対して「なぜ」と問いかけることは大切だが、技術者は目の前の現象について人類に役立てることができないかを考えなくてはいけない。
 
このように技術者は、科学で未解明の自然現象でもそこから機能を取り出すことが求められてきた。しかし、1970年代の研究所ブーム以来日本の研究所では、アカデミア同様の運営がなされ、科学の研究が重視されている。
 
一企業の社内における技術論とは別に、公的な場所において企業で技術開発が重要と言われたのは、故田口先生が最初の様な気がする。しかし、田口先生は基本機能は技術者の責任と言われるだけで、どのように自然現象から機能をとりだしたらよいのか言われなかった。
 
ところで、市場で要求される機能をマーケティングで見つけることはできるが、それが基本機能である保証はない。これは、ドラッカーが「何が問題か」と問うことの重要性を指摘しているように、田口先生も基本機能が間違っていると、タグチメソッドは正しい解を与えない、と言われていたので重要である。
 
ゆえに自然現象から機能を取り出すことを考える前に、市場で要求される機能を基本機能までブレークダウンする作業が最初に必要となり、基本機能までブレークダウンできたときに、それが科学的に解明された機能なのかどうかを吟味することが最初となる。
 
未解明の時には、それが自然現象として起きるかどうかが重要になってくる。自然現象として起きることが確認されると、新たな機能を技術者は見つけたことになる。熟練した技術者であると、この一連の動作を本能のように行う。弊社ではそのトレーニングプログラムを提供しています。

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