2016.05/12 昨日の三菱自動車の会見
昨日の三菱自動車の記者会見では、今問題となっている4車種で燃費の誤差は5%程度から10%ではなく、最大で15%燃費が悪くなることを公表していた。この会見で気になったのは、大半の車種で規定と異なる方法で燃費が測定されたが、決められた方法で測定しても大きな誤差は出なかったのでそのまま販売する、とされた説明だ。
測定方法は異なっているが数値はあっているので、そのまま使ってくれ、と回答しているのである。極めて不誠実な回答である。さらに、このような場合の罰則のルールが無い、とまで回答している。これでは聞き方により、不正を行ったが、その不正に対してルールが決まっていないので、そのまま販売する、と聞こえる。すなわち開き直りの回答だ。この点以外にもいくつか気になる点が多く、昨日の会見が、少し開き直りが感じられる会見に感じたのは当方だけか?
確かに公表数値と、改めて測定しなおした数値に乖離が無ければ、たとえ公表数値に不正があったとしても、機能上は問題が無いのでそのまま使ったほうが好ましい。しかし、これはユーザーが判断することではないのか。
今回の場合、国の規定通りの品質検査をやっていなかったということと同等の問題であり、その点をまず謝罪し、販売を自粛すべきである。そして、今後の扱いについては国交省と調整する、とし、国交省から許可が出てから販売を再開するという手続きをとれば信頼感が高まる。
国交省としても規定通り測定されていなかった車について、型式認定を出した責任があり、この視点で三菱自動車の今回の会見につっこみを入れなければいけない。すなわち、厳密にいえば、国の指示通りの検査が行われていない車すべてについて、国は型式認定を取り消さなければいけない。
昨日の記者会見を聞いている限り、燃費の測定方法が異なっている車について、型式認定がどのような扱いになるのか説明が無かったが、おそらく今後問題になると思われる。もし、数値に問題が無いから型式認定の取り消しは行わない、という判断を国がだしたなら、国が定めた試験法の信頼性に影響が及ぶ問題となる。
どうやら三菱自動車のトップは、「信頼」という言葉の意味を正しく理解していないようだ。罰則規定がないときには、自粛する姿勢で謝罪するのが、ユーザーへ信頼感を与える唯一の方法である。罰則が無いから、型式認定をそのままで販売を続けると自ら答えていては信頼感は生まれない。
カテゴリー : 一般
pagetop