2016.06/22 配合設計(たとえば難燃性樹脂)(4)
タグチメソッドが日本で普及してきた。この手法で多数の制御因子を解析するときには、制御因子をラテン方格に割りつけ、基本機能のSN比でこれを評価する。うまく実験計画を組めば、二律背反に陥る心配は無いので便利な手法である。
タグチメソッドと似ているが、統計手法である実験計画法でも同一の実験環境で多数の処方因子を評価できる。しかし、これは単相関の実験を効率的に行う方法であり、単相関で解析する時と同様に二律背反に陥ることがある。
さらに実験計画法では、タグチメソッドのように再現性の良い実験結果が得られない場合もある。実験計画法もタグチメソッドもラテン方格を用いるので同じものだと誤解している人が多いが、これらはまったくその実験思想が異なっている。
多数の処方因子を評価解析する手法として多変量解析も用いられる。ただし注意しなければいけないのは、重回帰分析を行うときには各変数の一次独立性を吟味しなければいけない点である。
各変数の間に従属関係があると、重回帰分析で相関係数の高い式が得られても使えない。このような場合には、段階式重回帰分析や各変数を一度主成分分析で一次独立に変換してから重回帰分析する手法が使われる。
カテゴリー : 高分子
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