2016.07/02 配合設計(たとえば難燃性樹脂)(12)
DAPPについては、トリレンジイソシアネート(TDI)と反応させてプレポリマーを合成し、マトリックスの主鎖に難燃剤成分を組み込んだ(反応型)システムと粉末の形態で難燃剤をマトリックスに分散した(添加型)システムの両者について検討している。
DAPPを添加型とプレポリマーすなわち反応型で添加した処方で両者の違いを観察した。添加型では、反応型と比較してLOIが低くなるという実験結果が出た。
これから、難燃剤の分散状態がLOIに影響することがわかる。また、DAPPをプレポリマーの形態で添加した試料で最も難燃効果が高くなっているが、DAPPは他の難燃剤に比較して単位量あたりのリン含有率が高い。
リンの含有率で難燃性能を比較したところ、DAPPの難燃効果が他の難燃剤の効果よりもわずかに高くなっている。
ただし、LOIが21を越えるあたりから同じ反応型であるFyrol-6との差は無くなっている。ちなみに、Fyrol-6は両末端にTDIと反応する水酸基を持った化合物で反応型難燃剤として機能している。
これをTCPPと比較することにより、添加型難燃剤よりも反応型難燃剤の方が効果的に難燃性の機能を発揮している現象を捉えることができる。
すなわち、難燃剤は、添加型よりも反応型難燃剤のほうが効率よく機能し、リン酸エステル系難燃剤よりもホスファゼン系難燃剤のほうが高い難燃効果を有している。
カテゴリー : 高分子
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