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2016.07/13 アイデアの生み出し方

昨日の耐熱可塑剤のアイデアは、ナイロンの相溶を実現したときに生まれた。PPSにナイロンが相溶するとTgが下がる。その結果PPSの耐熱性が下がることになる。PPSの耐熱性はそのままに溶融温度を下げ、混練しやすくできる添加剤はできないかというのが最初の着想である。
 
高分子に低分子を添加すると可塑化効果が観察される。すなわちTgやTmが下がる。しかし、うまく添加剤を設計してやればTgを下げずにTmだけを下げることができるのではないか、と考えた。
 
詳細は省略するが、新しいアイデアは常識を疑ったり否定したときに生まれる。科学の世界では、科学で正しいと思われていることを一度疑ってみると新しいアイデアが生まれる。
 
STAP細胞のアイデアもそのようにして生まれ、大騒動になり、STAP現象の存在がドイツの研究者らにより発表され、と面白い展開になっているが、教科書に書かれていることがいつも正しいとは限らないのだ。
 
教科書に書かれていることを疑うのは勇気がいる。ましてや、それを口に出すときには馬鹿にされることを覚悟しなければいけない。だから、現象が再現良く見極められるまではこっそりと実験を行う必要がある。STAP細胞は再現性が乏しい段階で口にしたから大騒動になった。
 
新しいアイデアを実用化するには多くの障害を越える必要も出てくる。高純度SiCの事業化経験はそのための貴重な財産である。アイデアをどのように展開し、実現してゆくのか、困っている方は一度相談して頂きたい。
   

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