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2016.07/24 野球部の連帯責任

21日午前11時20分ごろ、佐賀市水ケ江の龍谷高校の部室棟でぼやが発生、野球部室を一部焼損した。室内からたばこの吸い殻が見つかった。佐賀署によると、部員数人が出火前に部室で喫煙したことを認めていた。龍谷高校は昨夏の佐賀大会で優勝。春夏を通じて甲子園に計4度出場している。
 
このニュースが流れた後、この強豪校が地区大会準決勝への出場を辞退した。この出来事に関し、「連帯責任」という視点で前時代的と捉えた意見がネットに出ていた。この事件に限らず、組織の不祥事が原因で他のメンバーが不利益を被るケースは多い。
 
不利益だけで無く、過度の責任を問われる場合もある。状況は個々のケースで異なるので十把一絡げに議論はできない。但し今回のケースについて、「連帯責任」という見方はおかしいのではないか。
 
野球部員の数人が法を犯し、さらに野球部員が借りていた公的施設を損壊しているのである。この状況で、タバコを吸っていなかった他のメンバーは無関係とはならないだろう。
 
連帯責任というとらえ方ではなく、野球部員個々の役割から来る責任の視点で考えなくてはいけない。すなわち新聞に報じられた状況から野球部員は全員部室内での喫煙を黙認していた可能性が高い。これだけでも全員アウトで何らかの責任に基づくペナルティーを負うことになる。
 
社会が社会として存在するためには、社会で生きている個人にそれぞれ役割や立場が存在し、その役割や立場から生まれる責任が生じる。各個人は役割や立場を良く理解するとともにこの責任も果たせるように生きてゆかなければならない。
 
責任が果たせなかった場合には、社会はそれなりのペナルティーを個人に与えることになり、その結果で役割や立場が変わる場合も出てくる。このペナルティーの内容は、責任が果たせなかったことで社会にどれだけの影響を与えたのか、その量により異なる。
 
今回のケースでは、ニュースで報じられた事実だけを考慮しても野球部員の全員が何らかの責任を負っている。主将副主将は参加を辞退するだけの責任があると思う。さらに部屋の防火責任者が部員の中にいるはずで、彼も辞退しなければいけないだろう。また、タバコを吸っている現場を見ていた部員もいるはずで、彼も仲間に注意できなかったと言う理由で辞退すべきである。
 
おそらく今回の事件で野球部員個々の責任を明らかにしてペナルティーを正確に決定していったとしても、やはり出場辞退という結論になったと思われる。野球は9人で行うスポーツである。熱中症で一人欠けても没収試合となっている。
 
未開封のタバコや多数の吸い殻が見つかったり蚊取り線香で臭いを消すなどその行為は日常的であり、複数の部員が関わっていた。連帯責任でなくても出場辞退になっていたと推定される。

カテゴリー : 一般

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