2016.07/26 SiC半導体
次世代の新幹線車両にはSiC半導体が使用されるという。その結果,デバイスを小型化できて車両下部に空間が生まれ、その活用を考えているというニュースが流れた。
今パワー半導体としてSiCがどんどん普及している。またSiCウェハーの大口径化の研究も進められている。現在のところ昇華法(レーリー法)が主体だが将来は気相法が主流になると言われている。
当方は、昇華法の改良が有望であり、その安定した結晶成長ゆえに将来も主流になると思っているが、多くの研究者は気相法に賭けて研究を行っている。しかし、まだ昇華法ほど大口径化には成功しておらず、その成長速度のみが騒がれている。
当方が昇華法に拘るわけは、かつて実験した経験があるからだ。20年以上前の話だが、昇華法は用いるSiCの原料によりその反応速度が変化する。しかし、このあたりの研究が未だに進んでいない。
当方の学位はSiCの反応速度論が半分をしめ、高純度SiCの結晶成長の研究については少しうるさい方であるが、ほとんどの研究者は当方のことを知らないだろう。SiCのスタックシミュレーションも30年以上前に実施し、ポリタイプの秘密について少し見えている。
FD事件さえ無ければ今頃ゴム会社でSiCウェハーの事業を行っていたかもしれない。人生とは面白いもので、今はセラミックス協会からお声はかからず高分子学会から講演依頼が来たりする状態である。もちろん両者の学会員である。
不思議なことに3年ほど前韓国企業の2社から問い合わせがあった。タイミングの悪いことに中国出張等が重なり、十分な対応ができなかった。その後韓国経済の状態が悪くなり、一社からは検討を中止したとの連絡が入った。これからまだ有望な分野である。
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