活動報告

新着記事

カテゴリー

キーワード検索

2016.08/05 観察は、科学者専用の行為か(6)

フェノール樹脂とポリエチルシリケートを酸触媒存在下で均一混合し、高純度SiCの前駆体に用いる、というアイデアは非科学的なアイデアである。しかしそれが成功すると確信していたのは、ポリウレタン発泡体やフェノール樹脂発泡体などのリアクティブブレンドを経験していたからだ。
 
例えばフェノール樹脂と水溶性ナイロンは均一に混合できないはずであるが、条件を選択すれば、均一に混合でき、しなやかなナイロン変性フェノール樹脂が合成される。
 
この実験に成功していたので、フェノール樹脂とポリエチルシリケートのリアクティブブレンドは成功すると確信していた。しかし、数回の実験では、科学の理論を証明するような結果しか得られなかった。そこで、フェノール樹脂の廃棄業務を良い機会と捉えて、試行錯誤で反応条件を決めようと考えた。
 
朝からフェノール樹脂とポリエチルシリケートを混合しながらその様子を観察した。昼近くなっても均一にならなかった。昼食など食べる気がしなかったので、ただひたすら均一なリアクティブブレンド技術ができないか、試行錯誤で実験を繰り返しながら観察を続けた。
 
午後になると、目視で分かるような相分離状態が起きなくなった。15時頃には、シリカの沈殿も分からなくなった。夕方近くになって、フェノール樹脂とポリエチルシリケートが均一になった透明液体が得られた。後はゲル化させるだけである。ちょうどフェノール樹脂の廃棄作業は完了した。
 
 
 
   
 
 

カテゴリー : 一般

pagetop