2016.08/15 科学的ではない問題解決方法
技術の世界でも事務の世界でも問題解決法と言えば科学的な方法が推奨されている。例えば20世紀にシステムズシンキングとかロジカルシンキングとかタイトルにつけた書籍や講演会がもてはやされた。
ところがその科学的方法で建設された福島原発の状況をみれば、科学的方法が万能ではないことに気がつくはずだ。また、海水注入を決断した人は偉いなどと当時書かれていたが、それは海水注入をためらっていた人がいるからで、おそらく後者は科学的判断に基づき、前者は直感だったかもしれない。
ヘリコプターで空から海水をかけるパフォーマンスも行われたりしていたが、科学の成果である原発の一大事では、科学的方法以外の問題解決による意思決定が随所に見られた。
海の向こうアメリカの技術者たちはとにかく何でも良いから冷やせと叫んでいたそうである。原発というシステムで何かエラーが起きて制御不能になったら、何でも良いから冷やすことが鉄則である、と当時何かの番組で外人が語っていた。
とにかく科学的に緻密な計算で安全が担保されていたはずの原発が、ひとたびトラブルに見舞われたときにヒューリスティックな問題解決法に頼らざるを得ない現実をみると、ビジネスプロセスにおいて科学的に厳密な問題解決を追求しているのが滑稽に見えてくる。
実は社会人なったばかりの時に、科学と技術に悩みながら、この科学的問題解決法についても疑問を持ち始めていた。ゴム会社で出会った指導社員は、それらの疑問に一つの回答を示してくれた。
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