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2016.08/31 科学で否定される現象から機能を取り出す

科学で否定される現象から機能を取り出し、それを技術として実現にするには運も必要だが、意外と簡単である。難しいことを考えず、自然界で起きている状態をそのまま模倣すればよい。ただし科学で否定される現象に巡り合うかどうか、という運と巡り合った時に、素直にその現象と対峙できるかどうかがカギである。
 
STAP細胞で小保方氏は、科学で否定される現象に出会う運に恵まれたが、ノーベル賞が頭にちらつき、つかみかけた幸運を逃がしてしまった。運を味方につけるには、誠実真摯に素直に生きる必要がある。
 
当方は、32年間の技術者生活でそのような現象に出会ったら必ず技術として実用化できた。ノーベル賞などの評価を実用化できるまで考えず、ただひたすら素直に自然界から機能を取り出すことに集中したので成功できたと思っている。
 
例えば退職前の5年間担当した仕事では、フローリー・ハギンズの理論で否定される現象に遭遇した。PPSと6ナイロンが相溶するというその現象は、多くの技術者が目にしていた。しかし、その重要性に気がついたのは当方だけであった。皆、日常の中で当たり前の現象として見ていたのだ。
 
PPSと6ナイロンが相溶した現象に遭遇した時に、すぐに化学分析を行い、現象が起きていることを確認した。つぎにその現象が起きている状態をつぶさに観察し、形を変えて、同じ状態を作り出し、その現象が起きることを、すなわち再現性と汎用性を確認した。
 
現象が必ず起きることを確認しながら、条件を一つづつ外してゆき、現象が起きなくなるのも確認した。すなわち山中博士も行った非科学的な消去法である。そして現象を起こすための最低限必要な条件を探し出して完成した技術がカオス混合技術である。
   

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