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2016.10/01 都庁は典型的な腐った組織

東京豊洲の盛り土問題で東京都は責任者不明という報告書(注)を小池知事に提出したそうだ。その内容がまったくおかしい。小池知事は責任者に対する処分をまだ公表していないが、不明と報告したこの責任者も含めて責任感の欠如が問題だと思う。
 
この責任者調査では小池知事は時系列的に誰がどこで何を決断したのか報告するように指示している。また都民にもそのように指示した、と説明した。盛り土の図面を時系列的に並べれば、自然に責任者が決まる簡単な調査である。
 
すなわち盛り土の図面が確定した段階における管理職がその責任者となるのは、道具としての組織の掟である。仮に部下から報告を受けていなかったとしても、あるいは会議の場で流れとして決まったとしても、多額の都民の税金を実務担当者の決断では実行できない。また、それで実行していてはおかしいのである。
 
もし、そのおかしな手続きで盛り土の仕事が行われたとしても、管理職が責任を負う必要がある。なぜなら、仕事は組織が請け負いその組織メンバーで責任を持って担当するのが今の組織社会の仕事の進め方なのだ。そしてその組織の責任を明確にするためにリーダーを置き、リーダーには少し高い賃金が支払われている。
 
ところが道具としての組織の陰に仕事を含め責任までも隠れてしまう時代になったので15年ほど前から遠藤先生の提唱された見える化運動が民間の会社で推進された。
 
民間企業では仮に責任が組織に隠れたとしても責任者を処罰してきた。そうしないと道具としての組織がダメになるからである。そもそもダメな会社の原因の一つに、この点を誰もが指摘している。成功し続ける会社では責任体制が明確で道具がいつも活発に機能している。
 
当方がFDの問題で転職する決断をしたのは、会社の貴重なデータが記録されたFDを破壊し続けた責任がうやむやになりそうで、その結果高純度SiCのできあがったばかりのプロジェクト組織が腐るかもしれない、という心配からだった。被害者であった当方が責任を取る形で転職して事態を収拾し、プロジェクトは成功した。
 
(注)WEBニュースでは以下のように報じられている。数千億円と言うお金が思い込みとなれ合いで使われているのだ。民間企業では考えられない仕事の進め方である。高純度SiCの事業では、24000万円の先行投資について、研究所で陰口を言われたが、すべて手続きは責任体制が明確な形で進められた。
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内部調査の報告書によると、「地下水の汚染をモニタリングする空間」については、2008年に専門家会議が「盛り土」の提言を行った直後の同年10月頃から内部で検討が始まったということだが、具体的に、盛り土をせず地下空間をつくることを確定した時期と人物については、2010年11月の設計会社を選ぶ頃から翌2011年9月の実施設計の起工決定の間に組織として段階的に確定したとしている。しかし具体的な日時や確定させた個人については、特定できなかったとしている。
 また、間違った説明を続けたことについては、上司と部下や職種間での連携が不十分だったため歴代の幹部に盛り土がないとの認識がなく、間違った説明をしているという認識もなかった。また議会の答弁などでは以前の答弁をコピーして使っていたとしている。
 さらに専門家会議や技術会議に計画変更を伝えなかった点についても、過去の担当者が伝えていたはずとの思い込みがあったとした。

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