2016.10/21 年下の上司
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年下の上司と働いた経験がある人の約6割が、一緒に仕事を「しづらい」と感じていることが、就職情報サイトを運営する「エン・ジャパン」(東京)の調査で分かった、と昨日報じられたが、このような調査結果は何の参考になるのか。
組織で仕事をするときには、いかなる人間関係においても成果を出すことが優先される。しづらいかどうかは真摯に成果を考えたときにあまり問題にならない、と思っている。成果を出せるよう組織に働きかけるのが知識労働者の働き方で、しづらいことを成果が出せない理由にしてはいけない。但し組織がうまく機能するかどうかは、経営者の責任である。
当方の社会人スタートは、10月に研究所へ配属が決まり、新入社員の3ケ月間本当に素晴らしい指導社員と仕事ができたが、翌年の1月からは組織変更があり、新たな指導社員とポリウレタンの難燃化研究を担当することになった。
この指導社員が5つ年上の妖艶な女性で、大変困った。おそらくそれまでの人生で出会った女性で一番の美人ではなかったか、と思っている。このような女性とは当時の当方は仕事がしずらかったのである。年上年下など関係なく、上司がどんなに良い人だろうと、一緒に仕事をしずらい人はいる、ということを早い段階で知った。
仕事ぬきで考えれば、毎日出勤するのが楽しかった。それは周囲にもすぐに察知され、実験室にゆくと冷やかしの嵐であった。それまで毎日サービス残業だったが、その女性から食事に誘われれば、素直に従った。良いタイミングで誘われるのでいつの間にかサービス残業の習慣は無くなった。
自分のペースではなく、すべて指導社員の仕事のペースで毎日が過ぎた。自分のペースではないので大変仕事はやりづらかった。おまけに既婚者だったので指導社員は定時退社で、退社時には当方も一緒に帰る習慣になっていった。その結果、規則的な生活習慣となった。これもある意味で辛かった。
仕事というものは、成果が出るかどうかはわからないが、自分のペースで自分のやりたいように進められるときに最も気持ちよくできる。組織で働くときには少なからずその障害となる要因が生じるのでストレスがたまるが、その要因に対してどのように対処してストレスを軽減するのか、というのは働き方の知恵で対処する。
新人発表までの間、自分のペースというものが全くなくなり、極めてストレスがたまったが、その要因は極めて分かりやすく対処がしやすいものだった。しかし、そこで対処するよりも仕事のストレスとつき合う道を選んだ。
当方が提案したホスファゼン変性ポリウレタン軟質フォーム(注)が高い難燃性を持っていることは予想でき、工場試作をどのように進めるかという問題だけだったことも幸いした。仕事ではストレスが溜まったが、新入社員として二つ目の成果は出た。
(注)35年以上前にゴム会社で合成に成功した難燃性機能を有するホスファゼン環の分子ブロックを主鎖に組み込んだポリマーは世界初の発明で、この成果はイギリスの学会誌に論文として掲載されている。
なお、この難燃化技術については、下記の講演会で詳細を解説いたします。
記
1.高分子難燃化技術の実務
(1)日時 10月27日 10時30-16時30分まで
(2)場所:江東区産業会館第一会議室
(3)参加費:49,980円
(注)難燃性と力学物性、さらに要求される機能性をどのようにバランスさせ品質として創り込むのか、という視点で解説致します。
https://www.rdsc.co.jp/seminar/161026
2.11月度開催予定の講演会は下記
https://www.rdsc.co.jp/seminar/161116
カテゴリー : 一般
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