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2016.11/24 貢献と自己実現

知識労働者の働く意味を「貢献と自己実現」と言ったのは、故ドラッカーである。そしてモチベーションを向上するために、日本の各組織が目標管理と成果主義の人事制度を取り入れてきた。
 
しかし、これがうまく機能しているのかどうかといえば自己の体験からは「NO」である。それを昨日わかりやすく書いた。わかりやすくするために、やや、昨日は下品な内容となった。
 
サラリーマン生活でも嬉しかった思い出もある。退職日は東日本大震災で講演会も送別会もすべて吹っ飛んだが、退職後改めて送別会を開いていただけたことや、最後の一年間担当した仕事が社長賞をとった、というので記念品が贈られてきたことだ。
 
これらは、写真会社の風土が分かる思い出である。ゴム会社にも楽しい思い出は多い。例えば同期入社の会に誘われ参加したり、たまに酒席の誘いを受けるのは、ゴム会社の知人友人からだ。これもゴム会社の風土を理解できる出来事である。
 
サラリーマン生活でやはり一番嬉しかった出来事は、左遷され単身赴任したときに、旧無機材質研究所副所長から頂いた手紙である。この手紙の内容には涙が出て、そして退職を控えた最後の仕事ではどんな苦労があってもやり遂げる勇気が出た。
 
故ドラッカーは貢献の重要性を説いているが、俗人にとって貢献の結果が分かる出来事が無ければ、働く意欲も失せる。散々働かされて、必要なくなったから倉庫として使われていた部屋をあてがわれたのではたまったものではない。
 
サラリーマン人生ではいろいろな出来事があるが、いやな思い出と良かった思い出は忘れないものである。働く意味は「貢献と自己実現」かもしれないが、働いた結果、それが良い思い出となるのは、ささやかな貢献が報われたときだ。言葉だけでも良いのである。
 
自己実現は自分でそのゴールを理解することができるが、貢献はなかなか理解や納得が難しいので組織に関わる人が褒めてあげないといけないのである。忘れた頃に届いた副所長からの手紙には、高純度SiCの経済的なプロセス開発の業績を称えるとともに、それに対し成された20年以上も前のお約束の内容とその実行が書かれていた。
 
世の中には本当に聖人と呼べる人がいるのだ。また、この手紙のおかげで、早期退職前に過重労働となってもカオス混合技術を開発できるだけのパワーが生まれた。
 
 
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