2016.12/03 逆向きの推論
推論には前向きに進める方法と逆向きに進める方法がある。このようなことは高校の数学で知識として学ぶ。例えば、前向きの推論で証明問題を解答するときに、逆も真なのでこの仮説は成立するという解答の仕方が記憶に残っていると思う。
「逆も真なので」という一言を書かなかったために減点された記憶の持ち主ならば、逆からの推論の重要性を十分に認識していると思う。ただ減点されても「反省」の二文字が辞書に載っていないような人生を歩んでいる人は、一生逆からの推論など見向きもしないかもしれない。
サルでも反省する、と言われた時代に青春時代を過ごした当方は、このテストの失敗の反省があり、逆向きの推論を得意とするようになった。また、この反省だけでなく、チャート式数学には、チャート「結論からお迎え」として、逆向きの推論で証明問題の見通しがよくなる、という受験ノウハウを強調している。
数学の問題に限らず、ビジネスの現場で発生する問題でも逆から考えると問題解決を早くできる。
この逆向きの推論で問題解決の見通しがよくなる理由は、推論を展開しようとする開始点(この場合結果、あるいは結論)が十分条件となっている推論の向きだからで、一般に行われる前向きの推論では、必要条件である仮説が開始点になっている。
これは集合論で学ぶ必要十分条件のことであるが、先日書いたモグラたたきの悲惨な結果は、ゴールを含む集合の外まで推論を展開してしまった場合である。これでは永遠にゴールにたどり着けないことになる。
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