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2016.12/25 微粒子が分散した溶液

微粒子が分散している溶液の物性測定は難しい。すなわち微粒子がその溶液全体に均一に分散しているかどうかが保証されていない時には溶液物性がばらつくからである。

 

1lほどのメスシリンダーに10%酸化スズゾル水溶液(アンモニア水)を入れて放置すると、上部からサンプリングした溶液と底部の溶液で粘度の周波数依存性が大きく異なる。

 

しかし、このような状態になっても、微粒子濃度は、熱分析装置で測定した残渣から計算される値で、大きな偏差は生じない。アンモニアの揮発量が上部と底部で大きく異なっていないからだ。

 

レオロジー特性は異なっていても微粒子濃度に変化がないという現象に接した時に最初は驚いた。また、pHも試験紙で観察した限りでは変化がない。ただしpH計では差が現れる。これには困った。

 

pH系の結果は電離の状態が異なるために差が大きく出たのだが、微粒子分散溶液を生産に使用するときにこの偏差をどのように管理するのかが問題になる。

 

ここから先はノウハウになるが、このような管理の厄介な微粒子分散溶液では、工程で生じうる現象をすべて書き上げて対策を行うFMEAが有効である。

 

科学的に対応しようとすると痛い目に合う。泥臭く書き上げた項目について机上の検証と必要に応じて実験を組み合わせ対策をとらなければいけない。

カテゴリー : 高分子

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