2017.01/20 高分子材料(11)
靱性とは、材料の脆さを表す指標であり、線形破壊力学ではK1cという値で表現される。高分子材料の靱性は、金属同様に高いものから低いものまで幅広い。セラミックスは、部分安定化ジルコニアや、繊維補強セラミックス程度までである。
靱性が低い高分子材料の物性を改善する方法として複合化があり、他の高分子と複合化する方法はポリマーブレンド(B)、他の材料と複合化した場合にはコンポジット(C)と呼ばれれている。またポリマーブレンドにおいて二種の高分子が相溶したものはポリマーアロイ(A)と呼ばれている。
高分子ABC研究会というのがあって何をやっているのか覗いたら、複合材料の研究会だった。この研究会では、とにかく混ぜ物をした高分子について討論しており、初めて参加した人には、あまりにも扱う範囲が広いので戸惑う。
しかし慣れると高分子を学ぶために大変有益な研究会だとわかってくる。なぜなら、高分子はABCとして使われている事例が圧倒的に多いからだ。だからこのような一見ごった煮の様な研究会は重要である。
高分子の靱性をあげる方法は、と問われたら複合化と答えれば間違いではないが、実際にはその答えだけでは不十分で、ABCの中からまずひとつ選び、選んだ中で最適化を行うことになる。
カテゴリー : 高分子
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