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2017.02/08 高分子材料(27)

PPSと6ナイロンは樹脂の組み合わせだが、樹脂とゴムの組み合わせでは面白い現象が起きる。樹脂の割合を少なくしてゴムとブレンドすると、少ないほうの樹脂が海になり、ゴムが島となる場合があるのだ。

 

ゴム会社で新入社員時代に担当した樹脂補強ゴムの開発では、樹脂の割合を20%以下でゴムとのブレンドを検討したのだが、樹脂が島になる場合や海になる場合などその組み合わせで様々な高次構造の材料が得られた。

 

周波数を変化させて粘弾性の周波数分散を測定すると、その高次構造の様子がたちどころにわかった。これは指導社員のご指導が良かったからで、また、分析Grの女性軍団の迅速な高次構造解析の援護射撃も暗黙知ではなく形式知として体得するのに役立った。

 

樹脂補強ゴムは、バンバリーでノンプロ練を行い、ロールによるプロ練でコンパウンドを仕上げる。そしてモールド中で加硫しながら形状を付与する。同じ配合処方を二軸混練機で動的加硫してコンパウンドを仕上げることもできるが出来上がった成形体の力学物性は異なる。一般に前者のゴム加硫プロセスによる成型方法で製造されたゴムのほうが耐久性も含め良好なゴム物性を示す。

 

ちなみに二軸混練機で製造された動的加硫によるゴムと樹脂からなるコンパウンドは射出成型で形状を付与できる熱可塑性エラストマー(TPE)の仲間である。この熱可塑性エラストマーには、樹脂とゴムとの共重合体すなわち、一本の紐の中にゴム成分と樹脂成分で構成された材料が代表的で歴史的に早い段階で研究された。この場合には、樹脂部分が架橋点の役割をしてゴム弾性を示すので加硫の必要が無い。

カテゴリー : 高分子

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