2017.02/19 高分子材料(36)
樹脂材料の混練では二軸混練機が多く用いられている。しかし二軸混練機を1pass用いた混練では十分な樹脂の混練を実現できていない、ということに気がついている技術者は少ない。
色材や各種老化防止剤などの添加剤を分散する目的ではそれほど問題にならない。仮に色材の分散状態が不完全であれば、スクリューセグメントや回転数などを変更して修正可能である。
ただしこれも見かけ上対策できたように見えるだけである。何も問題が起きなければこの不完全性は実務上忘れ去られてしまうが、そのコンパウンドが押出成形で用いられたときにボツや色むらとしてその問題が突然現れたりする。
あるポリオレフィン樹脂でバッチ式混練を行い、Tgで観察されるエンタルピー変化をモニターしたところ30分以上の混練でようやく一定値となるようになった。しかし実際の二軸混練機で樹脂が混錬される時間はせいぜい10分未満である。
加硫ゴムの混練を経験しているとこの10分未満の混練が如何に短い時間であるかを理解できるが、樹脂の混練しか行ったことのない人はこの混練時間の問題に無頓着である。
カテゴリー : 高分子
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