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2017.03/02 仕事が無くなる寂しさもない

表題は、2月末日にゴム会社を退職した1979年入社同期の挨拶状に書かれていた一文である。素晴らしい感想で、当方も現在の会社基盤が盤石になりリタイアするときの言葉として使いたいと感じた。

 

ドラッカーが定義したように、働く目的は貢献と自己実現にある。知識労働者は社会に必要な3つの組織のいずれかで働くことにより社会貢献できると言っている。

 

ドラッカーは旧来のマネジメントの定義を科学的に構築しなおした現代のマネジメントの生みの親であるが、そこで働く意味を明確にするととともに知識労働者の時代のマネジメントについて多数の書物で解説している。

 

彼の著書は難解と言われているが、知識労働者が働く視点で読むと、たとえ引用されているのが欧米社会の歴史であったとしても、働く意味は日本でも同じであり、ここに着眼すると理解が容易となる。

 

すなわち、彼の理想の一つ貢献と自己実現について知識労働者のそれぞれの役割で考えなければいけないことが語られている。

 

働く意味が貢献と自己実現にあるならば、仕事は単なるその手段あるいはそれが具体化されたオブジェクトに過ぎない。退職してそれまでの仕事が無くなっても、さらに貢献と自己実現したいならば新たな仕事をすればよく、十分な貢献と自己実現をした満足感があるならば、労働者ではない第二の人生を闊歩すればよい。

 

当方はゴム会社で高純度SiCの事業を起業しながら、生産設備で材料合成が可能という理由で電気粘性流体の仕事をお手伝いをしたためにFD事件にあい、写真会社へ転職した。この時犯人を見つけてしまい、その判断について大いに迷ったが、ドラッカーの教えに従い誠実と真摯とは何か、貢献と自己実現とは、と問いながら転職する道を選んだ。

 

自ら企画し、学位まで取得したSiCの仕事ではあったが、ゴム会社の面接で「タイヤ以外の新事業を起業し、その社長になっていたい」と自己実現目標を答えていたという思いがあった。社長とは誠実で真摯な判断ができなければいけない、ということで転職の選択をしている。

 

大変難しい判断で、30代までの自己実現目標であった学位を取得するほど打ち込んだ仕事であり、今でもそれが正しかったのかと時々考えるほど未練はあるが、最終の自己実現目標である社会に必要な新しい組織を作るため2011年3月11日に写真会社を退職し現在の会社を起業している。この会社が予想もできない新しい組織として機能し社会に富を生み出せるようになったとき、表題のセリフを拝借し退職のあいさつをしたい、と思った。

カテゴリー : 一般

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