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2017.04/10 帯電防止とブリードアウトの技術講演

先週金曜日に表題の講演会が開催された。1時間40分の講演のため、講演時間が少なく受講者には少し迷惑をかけたかもしれない。しかし科学で扱うには難しい対象の技術であり、どうしてもその理解のためには実務の実際を理解していただかなければならないので内容が幅広くなる。

 

まず、帯電防止技術について。最初の講演者がアカデミアの方で、その方が帯電現象の説について様々、と適切な講演をされた。さらに明確に分からないづくしの分野である、と説明されたので、遠慮無く当方は実務内容に専念し講演できた。

 

また、アカデミアの方の講演に便乗して否定証明の実例を持ち出し、科学の方法では誤りに陥りやすいことを、電気粘性流体の増粘問題を解決した体験で示した。

 

製品使用状況において発生する帯電という現象は科学では扱いにくい分野である。モデル化した瞬間に、市場で対応すべき問題の一部がすり抜ける場合がある。そもそも科学におけるモデル化とは論理展開しやすいように単純化する作業である。

 

ブリードアウトという問題も同様で均一な固体の中の一成分の拡散であれば実験も容易である。しかし、樹脂には帯電防止剤以外にも安定剤など多数の添加剤が入っており、そのような添加剤存在化のブリード現象の取り扱いは科学的に行おうとすると困難である。単純化した瞬間に現実のブリード現象とのかい離が生じる。

 

講演内容は、当方の経験を基に問題解決の事例が中心となったが、消化不良となったかもしれない。このような技術分野は実際の問題を前に議論するとわかりやすいと思っているので、もしお困りの方は当日の受講者でなくても是非相談していただきたい。

 

 

 

 

 

カテゴリー : 高分子

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