活動報告

新着記事

カテゴリー

キーワード検索

2017.04/12 浅田真央選手に国民栄誉賞を

昨日はTVもWEBニュースも浅田選手引退の話題でもちきりだった。そのニュースの一つからキムヨナ選手との直接対決では6勝9敗だったことを知ったが、キムヨナにはできない難度の高いトリプルアクセルを飛べたという理由で、スポーツ選手として彼女はキムヨナ選手よりも技量で常に勝っていたと思う。

 

かつて4回転ジャンプが初めて登場したときにジャンプを飛ぶことがフィギュアスケートの目的ではない、と言っていた選手がいたが、今や男子は4回転ジャンプができなければトップになれない時代になった。

 

失敗のリスクが高くても常にトリプルアクセルに挑戦し続けたその姿は、常に挑戦することこそアマチュアスポーツの神髄の一つと考えると、無難な演技にまとめていたキムヨナよりも世界に与えた影響力は大きい。

 

プロスポーツならば勝つことこそ重要であるが、アマチュアスポーツでは挑戦が最も価値があると思う。

 

フィギュアスケートのような採点競技のスポーツでは、演技に対する評価でどうしても個人差が出る。昨日某TV局で放映された浅田選手のスケートを見ていて感じたのは常に難易度の高い技術へ挑戦し続ける姿だった。

 

これは彼女のこれまでのスケーティングの映像を見れば誰もが感じることではないか。それゆえ演技にはトリプルアクセルを跳ばない選手よりも失敗というリスクがつきまとう。

 

リスクを犯してでもトリプルアクセルを跳んだのは勝つことよりも挑戦を重視していたのだろう。ちなみに彼女のジャンプ能力はキムヨナと同等以上であることは誰もが認めている。

 

彼女はキムヨナに勝つことを意識していたかもしれないが、ただ勝つことよりもその勝ち方、すなわちリスクに挑戦して勝つことにこだわっていたように思い出される。

 

日本中にブーイングの嵐を巻き起こした迷言「真央ちゃんは大事なところでいつもころぶ」は、「真央ちゃんはいつも挑戦をし続けているのでこけることがある」とでも言っていたならば、少しは国民の反感をやわらげたかもしれない。

 

彼女はいつも極限のスケーティング技術を追求していた。対するキムヨナは失敗のリスクを避けパーフェクトのスケーティングを目指していたとも言われているが、彼女の能力は女子スケーターのトップであったと思う。

 

個人差を少なくするために採点基準では失敗したときに必ず減点となるが挑戦意欲に対する加点は無い。膝の故障から難易度の高い演技に挑戦できなくなり、この一年間彼女の演技には精彩さが欠けた。

 

本当は肉体的にとても次のオリンピックを目指せる状態ではなかったのだろう。スケート選手にとってひざの故障は致命的である。それでも国民の期待を背負って挑戦しようと努力していた。10年以上その真摯な姿勢を国民に向けて十分に社会に貢献したので、国民栄誉賞を受賞してもよいスポーツ選手だと思う。

 

国民栄誉賞受賞のためにはオリンピック金メダルレベルの功績が必要とか言われているが彼女の世界選手権3回制覇の偉業はそれに匹敵する。また何よりも国民にこれだけ愛されているスポーツ選手である。国民栄誉賞をぜひ検討していただきたい。本日の記者会見最後シーンでは必死に涙をこらえ笑顔を見せようとする姿が印象的だった。

カテゴリー : 一般

pagetop