2017.04/17 高齢者「引退」無き時代へ
表題は、毎日新聞デジタル版に掲載された記事のタイトルである。
「現役世代(15~64歳)の人口は50年後、現在より4割以上減るとされた。人口構成が激変していく中、社会の担い手をどう確保していくのか。 政府が昨年6月に発表した「1億総活躍プラン」。現役世代の男性に偏っていた働き手に、女性や高齢者にもより多く加わってもらい、経済活動の維持を図る狙いがある。今後、65歳以上の雇用延長も進める方針で、高齢者に、支えられる側から支える側に回ってもらいたい考えだ。高齢者となっても「引退」しない時代は目前に迫る。」
上記はその記事の抜粋であるが、目前ではなく、もうそのような時代だと思う。そのような時代の訪れは亡父の読書三昧の日常から感じていた。亡父は80過ぎまで郵便局のポスター書きをボランティアで請け負っていたが、自分の思うように書けなくなった毛筆書きのポスターを見て、引退を決めている。
亡父は元警察官だったが、自己実現目標として書道を追求していたようだ。当方も小さい頃から書道塾に通わされた思い出がある。兄弟誰もが書道の大会で何か賞を取っている。亡父の遺品にはその時の賞状が束になっていた。
現在の社会の組織では65歳までしか働けないが、組織で働きながら自己実現努力を行い、65歳以降はその成果で働く、という姿勢が現在のシステムでは必要だ。しかし、それを受け入れる社会の組織の少ないことが問題である。
一方で電通の過重労働が問題なったように若い人の労働環境の改善が求められている。ここは社会の知恵が必要になるが、高齢者と若者とのペアで働けるような組織を作り出せないだろうか。
子育てが必要な若者の時給は高く高齢者のそれは半額としても良いような社会のコンセンサスが必要となるが、おそらくそれは容易だろうと思われる。社長が新入社員の10倍の給与をもらうのは当然という時代から、社長の給与は従業員の平均よりも低い、という会社が理想となるかもしれない。おそらくそのような会社では社長の引退は陰口として出ないだろう。
カテゴリー : 一般
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