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2017.04/18 科学の成果であるハイブリッド車の問題

ハイブリッド車は、そのシステムを眺めると科学の成果の塊に見えてくる。ガソリンエンジンの燃費を改善するために動力の発生を電気モーターとハイブリッド化するだけでなく、減速時のエネルギー回収システムも含め高度な制御システムでエンジンとモーターを効率よくd動作させている。

 

低速回転では高トルクを発生するモーターと低速回転ではトルクがやせているエンジンの組み合わせは、スムーズな動力発生を可能にし、あたかも多気筒エンジンのようななめらかさがある。

 

ヨーロッパでは、ダウンサイジングターボやクリーンディーゼルなどが車の燃費改善技術として進歩したが、日本ではトヨタが積極的にハイブリッドシステムを市場へ売り込んだためハイブリッド車が普及した。

 

面白いのは国内の自動車メーカーの動きで、トヨタのハイブリッド戦略に真正面から戦いを挑んだのはホンダである。その結果面白い車が無くなり昔のホンダらしさが消えた。さすがに社内でもその反省があったのかどうか知らないが、シビックタイプRというスバル車顔負けの高馬力車を最近発売している。

 

日産自動車は、一部の高級車と中級車にハイブリッド車の設定をしているが、その売り込みに積極的ではない。むしろリーフのような電気自動車に力を入れ、e-Powerシステムのノートがハイブリッド専用車アクアの売り上げを抜くなど好調だ。

 

マツダは、数年前に一新したデザインが日本市場で支持されただけでなく、ヨーロッパ同様のクリーンディゼルはじめレシプロエンジンの基本技術を見直し改良を進めた結果、コストパフォーマンスの優れた車として売り上げが好調である。

 

この流れに少し異端なのがスバルで、一応ダウンサイジングターボのレヴォーグを発売したかと思ったらガソリンエンジン車と変わらない燃費のハイブリッド車を販売し、スバルがハイブリッド車を作るとこうなるというようなPRの仕方をしている。しかし、走りのスバルという軸がぶれていないので、新車納期が3ケ月待ちとなるほど好調だ。

 

このスバルのハイブリッド車を試乗してみると、単純にエンジンとモーターのハイブリッドにしても燃費改善効果が小さいことに気がつく。エンジンをアトキンソンサイクルと呼ばれる方法で稼働しないと燃費改善に大きく寄与しないのだ。このアトキンソンサイクルとは1882年に開発された古い技術で内燃機関の燃焼効率を上げる方法だ。燃焼効率は上がるが馬力は下がる。

 

スバルのハイブリッド車のおかげでユーザーはハイブリッド車のからくりとその問題を学習できた。詳細は省略するが、もしエンジンとモーターを組み合わせて自動車を作るならば日産方式がトヨタのハイブリッド方式よりもまだ発展する余地があると感じさせる。これは科学的に最適化されたハイブリッド方式には科学的な限界を感じるためだ。

 

 

カテゴリー : 一般

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