2017.04/30 オーディオ商品(5)
ギターという商品はすでに確立された技術を真似ている職人技の商品と思われがちであるが、現在生き残っているギターメーカーのギターを見ると、材木の管理技術や接着剤、塗料、力木の配置などに細かい技術の改良成果を読み取ることができる。
ヤマハギターは、他のギターメーカーよりも2-3割高い値段でギターを販売しており、それでも売れている。これは差別化がうまくいっている事例だろう。昔家具メーカーがギターを作り始めた、と揶揄されたその他大勢の一社モーリスギターは、デザインと独自の力木配置や材木管理技術などで成果を出して1970年代よりも高い一定の評価を得ている。
その他の生き残っているメーカーも同様で探せば1970年代よりも優れた技術を店頭に並んでいる商品から見つけることが可能である。音の品質が商品性を左右するギターであっても見た目は大切でありデザインの工夫はすぐに価値向上アイデアとして思い浮かぶが、デザインを変更すればアコースティックギターの音は激変する。
デザインに合わせて材料の調節や力木の工夫、塗装材料やその厚みの工夫など必要になり、手工ギター製作家に尋ねるとそれは試行錯誤で決めて行くという。ギターブームが下火になったときにとにかく売れる商品を作るために努力したという。カスガ楽器や木曽スズキはじめ倒産したギターメーカーは多数あるが、現在日本に生き残っているギターメーカーは職人技術者が技術開発を進めたメーカーのようだ。
このギターと類似ではないか、と最近感じているのは、オーディオのスピーカーである。最近のスピーカーには様々なデザインの商品が存在し、昔ながらのツイーターとスコーカー、30cm以上のウーハーの3点盛りのブックシェルフタイプは、オンキョーとJBLの一部の商品しかない。
カテゴリー : 一般
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