2017.05/07 科学は技術開発の道具(1)
科学と技術は車の両輪である、とは1970年代にとある経営者が学会の講演で言われた言葉である。当方はベクトルとしての例えならばこれでもよいが、そもそも科学は技術開発の道具にすぎない、と思っている。
科学が生まれる前から技術は存在していた。いつの時代に技術が生まれたか知らないが、少なくともマッハ力学史では技術は遠い昔から存在していたことになっている。そして科学が誕生する直前にニュートン力学が生まれた、と書かれている。
すなわちニュートン力学は科学の成果ではなく技術の成果であり、その象徴がリンゴの落下現象である。マッハ力学史ではニュートン力学の誕生過程を非科学的である、と言っている。非科学的成果であっても科学の時代に通用する成果が生まれているのだ。
科学はそもそも哲学の一種であって、論理学の誕生により生まれている。またこの論理学の成果が無ければ、現代の科学の研究など発展しなかった。驚くべきことに論理学の誕生から1世紀も経たないうちに探偵小説が生まれている。すなわち論理学という学問が恐るべきスピードで大衆化しているのだ。
特にホームズ探偵は巧みに科学のプロセスを駆使して事件解決を行っている。面白いのは科学が成熟しつつあるときに刑事コロンボが生まれている。コロンボ刑事はどちらかと言えば非科学的で技術開発の手本にできそうな方法で事件解決を行っている。
もしコロンボとホームズが事件の解決を競ったならばコロンボが勝つと思っている。なぜならコロンボは上手に科学を道具として利用しているからだ。すなわち科学は彼にとって道具にすぎず、ドラマにはそれがわかるシーンが幾つか見られる。
カテゴリー : 一般
pagetop