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2017.05/25 仮説で排除されたアイデア(3)

ゴム会社へ入社し樹脂補強ゴムを開発後、高分子の難燃化研究を担当することになった。その時、ビニールのカバーがかかった事務机一つ分の大きさの装置を見つけた。これは1年ほど前に評価装置として検討され、「使えない装置」と結論された「自動酸素指数測定装置」である。

 

各種燃焼試験は科学的に開発されている評価技術だが、そもそも燃焼という現象を科学的に一つの真理として解明することは難しい。定義として「燃焼とは急激な酸化現象」というのがあるが、その現象を研究してみるとそこで起きているのは酸化だけではない(注)ことに気がつく。

 

この科学的な定義がおかしいのだが、未だにこの定義が教科書や論文に書かれている。仕方がないので、当方も論文執筆を頼まれると、一応この定義を書くが、当方はこの定義に納得しているわけではない。

 

ところで高分子の難燃化研究を担当したころにJISでLOI(極限酸素指数)という値の計測方法が難燃性の評価指数として決まった。これは、物質が継続燃焼するために必要な酸素濃度を指数で示したものだ。すなわち教科書に書かれた燃焼の定義に基づく燃焼評価法である。

 

さすがに科学的だけあって、高分子に難燃剤を添加してゆくと、その添加量とLOIとの間に線形性が認められる。それゆえ自己消火性を示すのに必要となる難燃剤の添加量を決めるにはLOIが適している。ただし、難燃性を発現する機能の選択を変えたときに適していない場合もある。この科学の問題もセミナーで解説している。

 

(注)酸化が引き金になってラジカルが発生し、様々な反応が系統的に発生する図を見たことがあるが、これは科学でうそをついた図だと思っている。

カテゴリー : 一般

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