2017.05/26 仮説で排除されたアイデア(4)
自動酸素指数測定装置は、サンプルホルダーに自立している板状のサンプルの燃焼挙動をセンサーでモニターしながら酸素と窒素の配合比率を制御してLOIを自動で計測できる装置である。
LOIの測定についてJIS法が決まる前に開発された装置で、制御部分にお金がかかっており、当時日本で数台販売されただけ、と聞かされた。
建築用難燃断熱材「ダンフレーム」という商品を研究開発している時に評価装置として購入されたらしい。しかし、「使えない装置」と評価され、そのまま1年以上放置されていた。一方LOIのJIS化が検討されていた時なので、この自動装置とは異なるLOI評価装置を新たに購入する話が噂としてでていた。
これが大きな声となっていなかったのは自動酸素指数測定装置があるのにどのようにして新たな装置を設備申請するのか知恵が必要だったからである。JIS法の装置は自動酸素指数測定装置の半分程度の大きさである。おそらくそれが導入されたらこの高価なセンサーと自動制御装置のついた設備は廃棄されるだろうと思った。
そこでこれを改造して使えるようにしようと考え、設備担当者に自動酸素指数測定装置がどうして評価装置として使えなかったのかヒアリングをした。驚いたことに、サンプルの燃焼スピードが速すぎて制御が追いつかない、という理由だった。
設備を購入するときに使えるかどうか検討しているはずだが、それが十分に行われなかったようだ。この装置の問題はそれだけではなかった。科学が仕事の進め方まで支配し、技術を蝕んでいたのだ。
カテゴリー : 一般
pagetop