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2017.06/12 東名の事故

東名高速道路で対向車線を走っていたデミオが中央分離帯を飛び出し、観光バスの上部に激突した。運転手は62歳の医師で即死と言われている。また対向車線の道路にはブレーキをかけた跡はなく、タイヤが横滑りを起こしたような黒いタイヤ痕が残されていた。

 

現場はゆるいカーブであり、高速走行中に急ハンドルを切ると車は横滑りを起こす。FF車ではアンダーステアになりやすく、高速ではその傾向が現れる。高速でアンダーステアとなると恐怖感もあり、さらにハンドルを切ろうとする。この時横滑りが起きやすくなる。カーブに入る直前に必ず減速する習慣にしておればこのようなことは起きにくい。

 

この事故については、一端左側のガードレールに接触し、その後制御されなくなった車が横滑りして中央分離帯を越えていったとニュースで解説されていた。

 

若い頃、セリカからプレリュードに乗り換えたときにアンダーステアのため一度高速道路でガードレールに接触しそうになったことがある。車を制御できないほどのスピードではなかったので、事故には至らなかったが、FRからFFに乗り換えたときのこのハンドリングの癖の違いには注意しなければいけない。

 

ところで、トルクベクタリングがついている車では、面白いように車がハンドリングに応答するのでブレーキによる減速なしにコーナリングスピードを上げたままカーブを曲がることが可能となる。一度体感すると病みつきなり、一般道ではカーブでの減速を忘れることもある。すなわち減速しなくてもひょいと車が曲がってしまうのだ。

 

高速道路でも同様で、カーブでもBMWはじめ高級車が猛スピードで曲がることができるのはこの装備のおかげである。さらに今の車には横滑り防止装置を標準で装着することが義務づけられているのでコーナリングにおける横滑りも起きにくく、ついつい高級車ではカーブに入る前のブレーキングをしなくなる。

 

安いポンコツに乗っていると、例えば14年前購入したキューブでは安全装置はハンドルとブレーキ程度であり、ほとんどついていないといってよい状態の車なので、運転者の安全運転に対する力量が100%発揮されないと高速道路で運転できない。

 

このようなポンコツ車に長年乗っていると、タイヤの情報を必死で感じ取る習慣が身につく。換言すれば、高速道路でスリップをすると命取りになるので、タイヤがスリップするかしないかを必死で感じようとする。

 

ポンコツ車ではサスペンションも高級ではないので、道路情報が直に運転者に伝わってくる。今年の2月からポンコツ車のキューブから4駆のジュークに乗り換えたのだが、車格に似合わず、安いレクサスよりも各種運転装備が充実している。

 

足回りも四輪独立懸架でエンジンにはターボチャージャーまでついている。そのかわり、シートなど内装はいかにもの車であるが、走り出すとレクサス顔負けの高級感が出てくる。内装さえ気にしなければ超お買い得な車である。

 

困ったのは、トルクベクタリングや横滑り防止装置の制御を体に感じてしまう点だ。14年間安い車に乗り続けてきた結果、車に対する感度が高くなってしまったのだ。

 

実は新車で納入され、3ケ月目にこの車の制御が入る気持ち悪さをクレームとして販売店に申し出た。車には異常がないということで、計測器をつけながら当方が運転することになった。そして気持ち悪い感覚が起きて合図をしていたら、その合図が、車の各種制御が入る時と重なっていたのだ。

 

これには驚いた。販売店の担当者から普通では感じないレベルなのでクレームにならない、と言われた。仕方なく、各種制御のON-OFFスイッチを一人で運転するときには、すべてOFFにして車を運転している。ただし同乗者がいるときにはこれらのスイッチをONにして運転している。車の安全装置に頼らない運転が大切だ。

 

車はどんどん進化しているが、その進化がすべての車に平等であれば問題はないと思うが、今の時代は、安い車と高級車で安全性にものすごい違いが出てきている。高級車に慣らされた運転技術で安い車を運転するのは危険である。

 

車の安全装置で頼りにするのはハンドルとブレーキだけ、という心得で運転するとよい。ハンドルのガタとブレーキの踏みシロは欠かさず運転前に点検している。さらにひとたび車が動き出すとタイヤの情報を体で感じる努力をしている。だからドライブはいつも心地よい疲労感を味わうことになる。

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