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2017.06/18 技術開発のプロセス

ホスファゼン変性軟質ポリウレタンフォームの開発で始末書を書いた体験談をこの欄で紹介している。工場試作に成功したにもかかわらず始末書を書かなければならなかったのが不思議だった。

 

始末書の問題以外に日々の仕事でも首をかしげたくなる指導があった。このホスファゼン変性技術の開発では、軟質ポリウレタンの試作に成功した喜びよりも、奇妙なOJTのおかげで科学と技術の相違点を少し理解できたことだ。

 

ホスファゼン変性軟質ポリウレタンフォームの開発では、いきなりモノを作り、その解析を進めるプロセスで、業務を進めている。ゴム会社に軟質ポリウレタンフォームの基盤技術があったのでこのようなプロセスをとれたのだが、最初にモノができたことに対して、「職人のような仕事をやるな」と主任研究員から注意を受けた。

 

ポリウレタンフォームの反応を考察すれば、ホスファゼンをプレポリマーとして用い、反応型難燃剤として機能させた方が効率がよいと考えたからだった。実際に他の難燃化システムに比較して難燃剤の添加量は少なくて効果が出た。

 

この効率の良さを数値で示すために、ホスファゼンを反応型だけでなく添加型のサンプルを作成したり、燃焼試験もJIS化が検討され始めたばかりの精度の高いLOIを採用したり、当初の企画に盛り込んでいない実験も行った。ところがこの試みに対して「趣味で仕事をするな」と注意を受けた。

カテゴリー : 一般

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