2017.06/19 くるみを割るカラスに学ぶ
もう20年以上前のことだが、NHKテレビでクルミを割るカラスが紹介されていた。クルミの実をくわえたカラスが、道路にクルミの実を置くとガードレールに留まり、そのまま車が来るのを待っている。
車がカラスの前を通過し、その車に運良くクルミの実がひかれたらカラスはそのクルミの実の様子を見るために道路へ下りる。そして無事クルミが割れて中からでてきた実を食べ終わるとどこかへ飛んでいった。
すると同じカラスかどうか分からないがまたクルミの実をくわえたカラスが現れ同じことをして割れたクルミの実を食べてどこかへ飛んで行く、そのような繰り返しのシーンだった。
説明では道路に落としたクルミが車にひかれて割れるのを観察したカラスがそれを利用すれば硬いクルミの殻を容易に壊すことができると学習し、それを繰り返しているのだという。
すなわち,カラスはくるみ割りの機能をうまく自分の生活環境から取り出し、それを活用していたのだ。カラスは立派な技術者の端くれで、科学の無い時代に人類がどのように技術開発を行ってきたのかを知ることができる。ちなみに猿でも同様の活動をするという番組も過去には報道されている。
自然界から機能を発見し、それを生活で活用するというのは、人間特有の活動ではなく、猿やカラスまでやっているのである。仮に非科学的な偶然の発見であったとしてもそれを利用しない、というのはもったいないことだ。
カテゴリー : 一般
pagetop