活動報告

新着記事

カテゴリー

キーワード検索

2017.07/05 第二の人生

「ひふみん」の愛称で親しまれ、6月に現役を引退した将棋の加藤一二三・九段(77)が今月1日付で芸能事務所、ワタナベエンターテインメントに所属したことが3日、分かった。-----加藤九段は「将棋のすばらしさをお伝えするべく、より一層努めてまいりたいと存じます」と本業の普及に尽力する意向だが、歌も得意なだけに第2の人生は活躍の場が広がりそうだ。

(SANSPO.COMより記事抜粋)

 

この記事の77歳で第二の人生という表現に驚いた。今の時代は、もう人生を分ける時代ではないと考えている。

 

第二の人生は、サラリーマン退職者の送別会でよく聞く言葉である。2011年3月11日がその送別会の予定だった当方は、残念ながら聞く機会が消えてしまったが、仮に第二の人生どうするかと聞かれても困ったと思っている。

 

ゴム会社で半導体用高純度SiCの事業を起業したときもこの事業を分社化してその社長になりたいと思っていたし、写真会社に決めたのは人事部長から社長の人数が多い会社と聞かされて転職したのだった。

 

子会社にコンパウンド工場を8000万円という破格のお値段で建てても、残念ながら写真会社でその子会社社長になれなかったので早期退職して、自分で二十世紀には存在しなかった事業を目標とした会社を起業した。

 

これまで結構厳しい状況が続いたが、今ようやく会社を育てる方向が見えてきて、何とか頑張っている。当方の人生を振り返ってみてもどこで節目をつけるべきか悩む。そもそも就職を第一の人生と考えていなかった(注)からだ。

 

ドラッカーは40年以上前から知識労働者の時代について論じ、社会の組織で働く年限が人間の寿命より遙かに短い問題を指摘していた。働く意味が「貢献」と「自己実現」にあるとする彼の考え方は広く知られており、常識にもなっている。

 

一方で人間の寿命が延びすぎた結果、100歳以上まで生きなければいけない人類も出てきた。恐らく当方も100歳程度は生きてしまうのではないかと思うほど今でもエネルギーが体中からわき出てくるが、これはある意味困ったことである。

 

おそらくひふみんも77歳にしてまだエネルギーがわき出ている人だろうと思われるが、そのような人にとって認知症の問題は恐怖である。年をとれば誰でも脳の老化が始まる。

 

ひふみんもいつまでもプロ棋士で通用する頭脳ではなくなり、お笑いに転向したのである。この老化による認知能力の低下を防ぐ最も良い方法は一生働くことだそうだ。一生働く必要があるならば第二も第三もと人生を分ける必要はない。今の時代、第二の人生は墓の中というのが一番幸せな人生かもしれない。

 

(注)就職を出世競争と捉えると出世に遅れたときに悩むことになる。就職は「貢献」と「自己実現」を安直にできる機会と捉えていると仕事に対する姿勢が変わる。「貢献」や「自己実現」ができない状況になったときには転職すれば良い。健全な組織とは、健全な知識労働者が活き活きといつまでも働ける組織である。また、健全な知識労働者は不健全な組織に対していつでも「NO」といえる努力をしている人である。弊社は定年の無い会社を目指している。

カテゴリー : 一般

pagetop