2017.08/07 世界陸上川内選手
「できることをやれることをすべてやること。今回は年末年始で自費で下見した安心感が生きた。あんまり実業団批判したくはないんですけど、実業団選手だと会社のお金とか、陸連のお金で、自分の給料から出してコース下見しようとはならない。自分のためなんですから、そこはやっぱり自分の給料を使ってでも、コース下見して、打てるだけの対策を打って、いいイメージ植え付けてやるのが大事かなと思う」
昨晩の世界陸上男子マラソンで川内選手は、視聴者を楽しませてくれただけでなく日本人トップの走りをした。また、その記録は順位こそ入賞を逃したが、彼の実力相応のタイムで必死に頑張った様子が伝わってきた。例によってゴール後は医務室へ連行されたので「必死に走った」ことは明らかだ。
女子マラソンは、選手の実力と全体の記録を見れば十分にメダルを狙えた可能性があったが惨敗に終わっているので、彼の記録がどのような価値を持っているかは明らかだ。
やはり勝負に対して甘い選手が多いのだろう。2時間30分を切れないのだから批判されても仕方がない。
その状況でインタビューの「実業団選手にエールを」と聞かれた回答が冒頭の言葉である。彼の言葉はマラソンに限ったことではない。
当方は、ゴム会社と写真会社勤務中、サービス残業は日常だったが、それ以外に仕事のゴール実現のための努力に給与を使い自己への投資を怠らなかった。
ゴール実現のためには「できることやれることをすべてやる」という彼の言葉は、名言ではなく当たり前のことだが、分かっていない人が多い。
あるいは、「上司が」とか「会社が」という言い訳を出して、容易にできることでも忖度を理由にあえてやらない人もいる。
彼は、批判をしたくないといっているのでこれは批判ではなく、彼の生きざまを実業団選手やファンに贈った言葉だと思う。あらゆる努力を払ってうまくゆかなかったならば悔いは残らない。さらに「できることやれることをすべてやる」努力をした結果であれば、次への夢や希望へつながる。
最近過重労働が批判されたり、ワークライフバランスの視点で働き方改革が推進され、その結果働くことに対して誤ったメッセージが出されている場合がある。資本家と労働者という構図ではなく、働く意味を貢献と自己実現としてとらえることができるならば、彼の言葉の意味を批判ではなく彼の生きざまであることに気がつく。
TVを見ていて、沿道で応援する彼の同僚を見つけ、マラソンだけでなく仕事に対しても恐らく彼はベストを尽くしているのだろうと想像された。
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