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2017.09/01 技術開発の方法(8)

(8/30の続き)樹脂補強ゴムは、今では動的加硫によるTPEとして有名だが、40年前開発されたバンバリーとロールで混練して製造されるそれは、二軸混練機で製造されるTPEよりも高性能のゴムだった。

 

開発のゴールは、指導社員によりレオロジーの視点で明確に示されていた。そのため、すでにこの欄で書いたように、当方の一年間の仕事は、ただひたすら市販されている汎用樹脂とゴムとを混練し、そのレオロジーデータを集め、ゴムの高次構造とレオロジーの関係を実際のデータでまとめることだった。

 

その過程で、指導社員が発明された樹脂補強ゴムサンプルよりも力学物性の良いものが見つかれば、その処方を開発ステージへ提案するといわれた。すなわち、右も左もわからない新入社員のテーマとして取り組みやすい企画に仕上げられていた。

 

さらに指導社員による一週間の座学で企画内容の全貌を理解できるような配慮までされていた。だから、自分の業務が二つのオブジェクトで構成されたものであると、この座学を通して理解できた。

 

もっとも当時はまだオブジェクト指向など知らなかったので、指導社員から説明を受けた企画をもとに独自に考案した戦略図と戦術図で書き表し、戦略図が2つの戦略ポイントとして描かれた、という理解である。

 

弊社の研究開発必勝法でもプログラミングの専門外には聞きなれないオブジェクト指向の用語を用いず、戦略図と戦術図で説明しているが、本来はオブジェクト指向で説明したほうが説明を簡単に表現できる(ただしオブジェクト指向の独特の言葉が理解を難しくする問題が残る)。

 

例えば新入社員のテーマ、樹脂補強ゴムのオブジェクトは、ゴールとしてのプロパティをもつオブジェクトと基本機能の最適化をプロパティとしてもつオブジェクトの二つで構成されている、ということができる。(続く)

カテゴリー : 一般

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