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2017.09/02 技術開発の方法(9)

二つのオブジェクトが求まれば、それぞれのオブジェクトの関係を検討することにより、業務を合理化できる。

 

すなわち、各オブジェクトが直列の関係なのか、並列の関係なのか考察し、並列の関係ならば、二つのオブジェクトのそれぞれのアウトプットを出さなければいけない。

 

しかし、それが直列の関係であれば、インプットに仮のデータあるいは整理された実験で得られたデータを入れて、ゴールとなるオブジェクト以外のオブジェクトの実体を生成すれば、これらからゴールとなるオブジェクトの実体を創り出すことができる。

 

これはゴールとなるオブジェクトだけを業務として行えば良いことを意味する。

 

多くの研究開発業務は、最終製品を一つに絞ることが可能である。すなわち、オブジェクトの設計を工夫して、ゴールを含むオブジェクトを含めすべてのオブジェクトを直列の関係に設計することが可能である。

 

このように設計された業務の流れの中で、ゴールを含むオブジェクトについて、一番最初に開発を行うのがアジャイル開発手法だ。

 

これが可能になるためには、最終製品であるゴールを含むオブジェクトのインプットデータに仮の値を入力できなければいけない。科学による推論でそれが可能になるが、科学で解明されていなくてもKKDによる成果でもよい。

 

KKDによるデータを活用した場合に、もしゴールを含むオブジェクトの振る舞いがおかしければ、インプットデータをKKDで変更すれば良いだけである。

 

このようなオブジェクト指向による方法を採用すると、科学という形式知は知っていれば便利(注)という位置づけになる。セラミックスの専門外であった当方が高純度SiCの合成に成功できたのは、このオブジェクト指向の方法を用いたからである。(続く)

 

(注)今ある事業について技術開発を行うに当たり、高卒で営業経験しか無かった人物と化学など関わったことのない新入社員の二人で業務を進めたが無事技術開発に成功している。当方はたまに状況をのぞきに行っただけである。オブジェクト指向による技術開発の良い所はこのような点だ。

カテゴリー : 一般

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