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2017.09/16 温故知新(1)

20世紀における技術開発は、どこも科学的研究(基礎研究)から新たな技術を育て上げる戦術がとられてきた。この戦術が必要だったのは、科学的に明らかでなかった現象が多かったからだ。企業の中にはアカデミアよりも先行し、優れた研究成果を出した企業もあった。

 

21世紀になり、金属や有機合成分野はほぼその科学の大系が完成し、セラミックスも未だ議論の必要なところもあるが、ほぼ構造と物性の関係も含め明らかになってきた。

 

高分子については、合成技術はできあがったが、高分子物理については、まだ道半ばである。しかし、20世紀に明らかになった内容で、技術開発では不自由しない程度である。

 

すなわち材料技術に関しては、基礎研究を行わなくてもほぼ技術開発が可能な状態になった。さらに全ての材料分野について階層的な考え方も定着した。

 

このような状況まで科学が進むと、温故知新という言葉どおりの技術開発が効率的な方法になってくる。例えば、酸化スズゾルの帯電防止技術は、昭和35年に公告になった特許をもとに開発された技術で、コストパフォーマンスに優れていた。

 

この技術では、評価技術も含めたパーコレーション転移の制御技術(注)が新しく開発されたが、シミュレーションプログラムや、インピーダンスの測定装置、バインダーのラテックスなどすでに存在する技術を組み合わせて新しい技術としている。

 

(注)プロセシングと材料の組み合わせ技術

 

 

カテゴリー : 一般

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