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2017.09/19 科学の重要性

産業革命以前の技術開発では、科学の方法が使われていなかったが、産業革命以降、科学の進歩とともに技術が劇的なスピードで発展する。ただし最初は技術の方法と科学の方法によるそれぞれの技術開発が行われていたはずだ。

 

歴史家ではないので想像しているだけだが、おそらく科学は主にアカデミアで技術とその開発の方法を積極的に成長させたのだろうと思われる。科学は技術分野だけでなく人文科学という分野も成立させて現在に至っている。ただ、人文科学を見ていると、科学で嘘を言う方法が開発されているような気がする。

 

科学の問題は、美しい論理展開でその誤りを見えなくする場合があるのだ。科学分野の捏造はそのような科学の弱点をうまく使っている。科学にこのような問題が潜んでいても、20世紀には科学こそ技術開発を成功させる唯一の方法として教育に取り入れられ、ものの考え方は科学一色となった。少なくとも偏差値が高い大学の受験で科学に無知のまま合格するには不可能である。

 

以前この欄でフェノール樹脂とポリエチルシリケートから高純度SiCを合成した話を書いた。今もゴム会社で事業として継続されているが、この技術開発で科学は重要な役割を担っている。合成プロセスは技術の方法で開発しており、世間が驚くほどのスピードで開発し、先行投資を受けた半年後にパイロットプラントの建設に至っている。

 

ただし前駆体ポリマーの品質管理技術は、当時不明だったSiCの反応機構を明らかにした手法を用いて開発している。この手法については当方の学位論文を見ていただきたいが、科学が無かったとしたら、この技術の品質管理はかなり難しかったと思う。科学のおかげで容易にできたのだ。

カテゴリー : 一般

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