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2017.09/22 科学の活用方法(2)

1970年代の日本は研究所ブームで、各企業で基礎研究所が作られた。その中には、アカデミアよりも素晴らしい成果を出した研究所も出現した。

 

だから20世紀は科学の方法論で技術開発が行われた時代、と言ってもよいかもしれない。

 

もし科学という哲学を100%活用することで、モノづくりの成功が保証されるのであれば、バブル崩壊後各企業の基礎研究所が企業の潜在能力(活力)として機能し、利益を生み出したはずで、20年という長いトンネルをもっと早く抜け出すことができたはずだ。

 

ところがこのバブル崩壊で分かったのは、基礎研究所はプロフィットセンターではなくコストセンターさらにひどい金食い虫の部門だったという事実である。

 

それにもかかわらず、科学の成果という言葉の魔力で基礎研究所のリストラを積極的に進めるのに躊躇した企業は多い。ゴム会社はバブルがはじける前に研究所の構造改革を進めたU取締役のおかげでアカデミア一色だった研究所の文化が少し変わった。ただしU取締役の後をついだI取締役のマネジメントにより、それが少し後退してしまった。

 

転職後外から見ていて興味深かったのは、研究所のマネージャーにタイヤ部門のマネージャーが少しずつ投入され、とうとうタイヤ部門のマネージャー出身者が研究所のトップになったことである。ゴム会社は日本中がバブル崩壊であえいでいる中で着実に成長していた。

 

 

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