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2017.10/11 サラリーマンのキャリア

先週土曜日に放映されたNHK「深読み」が気になっていた。サラリーマンのキャリアをどのように磨いたら良いのか、という問題について、キャリアを活かして働いている高齢者の経験談を聞けば一つの答えとなる。

 

しかし、若い時からあるいは40前後から働く意欲の無くなった人は、キャリアを磨く以前の問題がある。当方はゴム会社でも写真会社でも研究開発部門で業務を行い、働く意欲の乏しい多くの人たちを見てきた。

 

自主性が大切にされ、やりがいのある研究開発業務でも働く意欲の無い人はいるのだ。その中で印象に残っているのは、毎日会社に来て一切の仕事を行わず、ただ本を読んでいただけの人だった。

 

管理者として人事部に相談しても、人事部は当方に管理の工夫を求めてくるだけで何ら対策を打っていただけなかった。部内の風土にも影響を与えており、それが当方の悩みの種で、胃が痛くなる時もあった。

 

当方が窓際となり、毎日本を読んでいた人の上司が新しい管理者になってもその人の生活スタイルは、変わらなかった。ところが、上司と部下の関係でなくなったら、廊下ですれ違うと彼の方から挨拶し話しかけてきた。

 

以前は話しかけても外部から来た人には分からないことがある、といってあまり話してくれなかったが、今自分は何を読んでいるのか、また、面白い論文を見つけたのでさしあげますとか、さらには調べてほしいアイテムがあれば調査します、とか部下だった時に少しでも仕事の話をしてくれたなら当方も協力できたのに、と後悔がでてくるような挨拶である。

 

ところで、新しく彼の上司になった人は、その人を放置していた。頭のいい管理者だった。確かに彼は毎日出勤し本を読んでいるだけなので、管理者の立場で、メンバーと見なさず無視するのは一つの方法である。見えないところへ彼を配置することなど、当方に思いつかなかった。

 

その後、当方は豊川へ単身赴任したので、その人はどうなったかは知らないが、新しく赴任した組織にも部屋の隅で腐っていた、とんでもない人がいた。

 

ただ、その人は、コンパウンド開発のキャリアなど無かったが、当方含め3人というきつい仕事になったコンパウンド工場立ち上げで大変活躍してくれた。そして満足して定年退職された。肉体が健康で労働環境がよいならば、働きたい人は多いのではないか。また、キャリアも大切だが労働意欲とその維持を可能とする社会が大切だと思う。

カテゴリー : 一般

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