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2017.10/13 科学の世界における誤解(1)

科学的に正しい、と信じていたために技術が完成しなかったり、あるいは科学にこだわりコストダウンができなかったり、といったシーンを幾つか見てきた。

 

まず、温度の問題。状態の様子を知るために温度を計測する。それでは、温度が同じなら状態が同じ、といえるのか、もう少し厳密な言い方をすれば、温度が同じならば、熱力学の観点から同じ状態と言っていいのか。

 

まず答えを先に申せば、温度が同じでも、二つの異なる系の状態が同じとはいえないのである。

 

二つの異なる系が、平衡状態にあり、外部からエネルギーが加えられていない、という条件で、はじめて温度が同じ時に状態が同じ「らしい」といえるのだ。

 

ここで「らしい」と書いたのは、それでも系の状態が同じにならない場合があるからだ。温度というパラメーターの計測で実験を進めるときにこのような問題があることを意識しているだろうか。

 

以前この欄でも紹介したが、エネルギーは容量因子だが、温度は強度因子という説明を思い出して欲しい。物理化学の基本知識である。

カテゴリー : 一般

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