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2017.10/16 神戸製鋼の問題(2)

高純度SiC粉体でCIP成形し常圧焼結で製造したテストピースが、800MPaという当時最高強度を記録した。ゴム会社では「うそ800」と揶揄されたので、他のテストピースについて強度評価を外部に依頼したら840MPaという強度データが送られてきた。

 

それでは、高純度SiC粉体の性能として、この強度800MPaという値を品質保証値として用いることができるのか、というと「No」である。すなわちセラミックス成形体の強度は、成形までのプロセシングの影響を強く受けるからだ。

 

すなわち粉体のポテンシャルとして十分に高い強度が出る可能性があっても、常圧焼結体製造技術が無ければ、その性能を出せない。これは粉体売りを事業としたときに成形体強度を材料メーカーが品質保証できないことを意味する。

 

あるいは、そのような品質保証値をユーザーに示したとたんに自分の首を絞めることになる(神戸製鋼は自分の首を絞めた?)。材料メーカーがテストピースで得た強度データはあくまでも参考データとして扱うべきモノである。

 

これが分かっているので、たいていの材料メーカーは材料の機械特性値について参考値として示すが商品の品質保証値として示さない傾向がある。

 

 

カテゴリー : 一般

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