2017.11/10 樹脂の耐久性
昨日ゴムのへたりで失敗した話を書いた。樹脂でもゴムでも応力耐久性はアーレニウスプロットあるいは温度時間換算則を用いたクリープ予測を行ったりする。
例えば某社のハイアマチュア用フィルムカメラF100のフックが自然に破壊していた話を以前紹介したが、開発設計段階でアーレニウスプロットやクリープ予測などを行い、寿命設計を行っていたはずだ。
予測なので当然ばらつきを覚悟しなければいけないが、F100の機能はこの蓋のフック以外は壊れておらず、自動露出の値などは正確である。購入してから10年ほど経っているのであきらめろ、という意見も出てくるがこのカメラは3年ほどしか使用していない。
だから、フックの破壊は、蓋の開閉繰り返しによる疲労破壊ではなく、裏蓋のバネで負荷がかかりクリープ破壊を起こしたことが確実で、その壊れ方が気にいらないのだ。10年間使い続け疲労破壊したのならばあきらめがつくが、防湿庫に大切に保管していただけで破壊しているのである。
明らかにこれは高分子材料のことをよく知らない技術者が材料設計したにちがいないことが明白なのだ。もっともこのような耐久性の寿命予測についてアーレニウスプロットを行うことはJISでも決まっていたり、教科書に書かれていたりするから始末に悪い。
pagetop