2017.11/12 シリコーンLIMS
一般的なシリコーンLIMSは、A液とB液の2液に分かれている。これを例えばスタティックミキサーで混合し、金型へ注入し、その後150℃前後で反応させ、最後は200℃に4時間程度放置して完成する。
注型後、短時間の反応で完成するシステムもあるが、高性能のゴムを得るためには二段階の熱処理プロセスを必要とする。
困ったことにこのLIMSを供給しているメーカーごとに特徴があり、それぞれ微妙に得意不得意な分野が存在する。それをメーカーはユーザーに明確に説明しない。
ユーザーはそれぞれのメーカーについてよく研究して材料選択を行うべきだが、これが難しい。10年以上前、定着加熱ローラーの仕事を担当した。その時、この3社の特許を整理してびっくりした。
必ずしもトップメーカーの製品がよいわけではなく、製造条件を工夫すると、トップメーカーでは実現できない性能が得られるあまり売れていない材料もあった。
登場して30年以上の歴史があるにもかかわらず、各社各様のシステムになっているのは、特許回避を行った結果高分子の教科書に書かれている常識を超えた進歩を遂げたためだ。材料科学の面白さである。
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