2017.11/16 樹脂の信頼性
自動車の動力がエンジンからモーターへ変わるというので自動車部品メーカーは大変である。特にエンジン周りで事業展開をしてきた企業は、事業そのものが無くなる可能性がある。
新事業を自動車部品で立て直しを図ろうとするときに問題となるのは、未経験の材料を取り扱わなくてはいけない状況である。金属材料を扱ってきた感覚で高分子材料で部品設計を行うと大変なことになる。
1980年代のセラミックスフィーバーでは、耐熱合金をセラミックスで置き換えるにあたりセラミックス材料に関する信頼性工学が誕生している。
材料に関する信頼性工学は、セラミックスだろうが金属だろうがその基本は同じだが、セラミックスは金属に比較して極端に靭性が低い。この点が問題にされ、ワイブル統計で盛んに議論された。
しかし、高分子材料に関してはその歴史においてセラミックスのように真剣にその信頼性が議論されたことがない。その結果、新たに樹脂材料をエンジニアリング材料として扱わなければならない企業では、品質管理技術の開発が重要となってくる。
来年4月頃を目標にして、樹脂の信頼性に関する講演会を行いたいと思って準備をしている。先日行った講演会が好評だったが、体験を中心に伝えてどこまで受講者にその思いが伝わったか不明である。
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