2017.12/16 増税から見えてくる賃金の状況
今回控除の見直しで税制が変化すると年収850万円以上例えば年収900万円では15,000円の増税になるという。勤労者の何%に影響が現れるのかというと、4%の200万人弱である。
この割合はバブルの時に1000万円以上の年収があったサラリーマンの数に相当する。すなわち、バブル崩壊によってサラリーマンの年収が200万円程度下がった、という漠然とした感覚と一致している。
一方「年収300万円時代の暮らし方」という本がかつて話題になっていた。この年収300万円という収入は、現在の中国のサラリーマンの平均的な年収である。
また、中国の中堅ローカル企業総経理(社長)の年収は800万円程度と聞いている。当方が初めて中国で仕事をしたのは2005年で、このころの中国サラリーマンの年収は100万円以下だった。
このような数値を比較すると、中国サラリーマンは日本のバブル経済下のサラリーマンと同様の幸福感なのだろう。一方中国サラリーマンとあまり変わらぬ年収となった日本のサラリーマンの中には、敗北感に苛まれる人もいるかもしれない。
しかし、日本のサラリーマンは元気を出してほしい。中国と変わらぬ年収となったことで、中国に出て行った製造業の日本回帰が起こるかもしれない。いやいや、今ASEANへ工場は移転している、と言う人がいてこうした楽観的見方をすぐに否定する。
現実は第二次産業の衰退が言われているが、AIの進歩もあるので真剣に製造業の日本回帰を考えてもよいのではないか。
AIを活用して60歳以上の高齢者の働き場所を第二次産業に生み出せないものか。AIと60歳以上の経験知とのシナジーをうまく引き出すことができれば新たな発展が見込まれる。
カテゴリー : 一般
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